不動産不敗論と別れを告げる時＞韓国の話です

2010/9/26　朝鮮日報 

不動産不敗論と別れを告げる時

 

 崩壊避けられない「伝貰」制度

 

 

　韓国には家主に大量の現金を預け、その運用益を家賃代わりとすることで、月々の家賃を払わなくても済む「伝貰（チョンセ）」という独特の住宅賃貸制度がある。不動産価格が下落する中、最近は伝貰価格の相場が急騰している。

 

　ソウル江南地区の人気マンションでは、30坪（約99平方メートル）程度の物件で伝貰価格が5億～6億ウォン（約3700万－4400万円）まで急騰した。人気地区だけの上昇ならば、金持ちのマネーゲームだと片付けられるが、問題は首都圏の庶民向け物件でも相場が急騰していることだ。郊外の20坪（約66平方メートル）程度の物件はもちろん、伝貰価格が3000万～4000万ウォン（約220万－300万円）の低所得層の住宅でも相場が20－30％上昇している。

 

　マイホームに手が届かない庶民の立場では、伝貰価格さえ安定していれば、住宅価格の騰落は人ごとだ。しかし、伝貰価格が高騰すれば、住む場所を失いかねない生存権にかかわる問題となる。その上、伝貰価格は政府が統制する手段もない。政府が不動産の譲渡税、保有税を加重課税したり、ローン審査を厳格化したりすれば、住宅価格の上昇は抑制できる。しかし、伝貰価格は少しでも供給が不足すれば相場が急騰するなど需給に敏感だ。政府が政策的手段で介入する余地はほとんどない。

 

　現在の伝貰価格の上昇は一時的現象ではない可能性がある。伝貰制度は世界でも韓国だけに存在する特殊な住宅賃貸制度だ。伝貰は住宅価格の上昇を前提としている不思議な制度だ。例えば、家主が2億ウォン（約1480万円）で買った物件を1億ウォン（約740万円）で伝貰に出せば、本来2億ウォンの金融資産で得られるはずの金利収入のうち1億ウォン分しか手にできない。また、家主は住宅の維持修繕費、財産税（固定資産税）などは負担しなければならない。韓国に住む外国人が帰国時に保証金の全額を返還してもらい、伝貰制度に賛辞を送るほど、入居者側に有利な制度といえる。日本では家賃のほかに2カ月分程度の敷金を払わなければならず、大半のケースではそれが全額戻ってくることはない。

 

　事実、伝貰は家主側から見てもうからない商売だ。それでも、市民が借金をしてまで不動産を買い、伝貰で運用するのは、いつかは不動産価格の急騰で損失を挽回（ばんかい）できるという期待感からだ。このため、不動産不敗論が崩壊すれば、伝貰制度も泡と消えてしまうことだろう。不動産投機勢力と批判される複数物件オーナーは、伝貰物件の供給者であり、彼らがいなくなれば、伝貰制度も崩壊を免れない。

 

　最近は伝貰市場の根幹が揺らいでいる。高齢化に伴う人口構造の変化、政府税制などで不動産不敗論の根拠が徐々に崩壊してきている。住宅を複数保有することは、社会的非難を受けるだけでなく、投資面でも有利ではないとの認識が急速に広まっている。首都圏は売れ残り物件であふれている。今や複数の物件を保有することはむしろ面倒なことだ。

 

　不動産不敗論の終息で、伝貰市場は急速に縮小し、最終的に住宅賃貸市場は諸外国のように家賃制度に変わるだろう。そこに至る過程で、伝貰価格の急騰、物件不足などの問題が表面化するのは避けられない。韓国社会は不動産は永遠に上がり続けるという不動産不敗論に別れを告げるべき時が近づいている。しかし、賃貸市場の構造変化への対応策がなければ、さまざまな問題が噴出する。政府は手遅れになる前に分譲住宅主体の政策を賃貸住宅中心へと転換すべきだ。

 

車学峰（チャ・ハクボン）産業部次長待遇

 

http://www.chosunonline.com/news/20100926000021

 

引用ここまで

 

 

 

 

 

　”韓国社会は不動産は永遠に上がり続けるという不動産不敗論に別れを告げるべき時が近づいている”・・・いや、普通に考えれば不動産神話などとっくに崩壊していて然るべきなんですけどね。

　これは中国の不動産バブルも同じですね。ソウルのマンションに売れ残りが続出し、上海のオフィスビルがガラガラでも一向にバブル崩壊の声が聞こえませんから。

 

　カラクリの一つはバブル崩壊を先送り、出来れば阻止したい政府が後押しをしていることですかね。

　韓国じゃ、政府が大韓住宅保証を通じ、売れ残り住宅を購入し、建設業界の負担を軽減させる、というような政策をとっていますし、大韓住宅保証は既に業者の破産などで工事中断したマンションに、分譲代金の払い戻しなど保証履行義務を負った事故事業場は５３カ所・２万１１００戸。 保証金額だけで３兆３２７５億ウォン（約２２００億円）にのぼる、金をつぎ込んでいますし、引き受けたマンションの公売を進めたくても、鑑定評価額に比べ平均５０％ほど売却価格が低下しているが、売買は成立しない、ということです。

　これは09年のことなんですけどねえ。

 

　しかし今年の5月には”個別公示地価が１年ぶりに上昇…全国平均で３．０３％上昇”なんていう理解不能な記事がありましたし、4月には”韓国のアパート賃貸料、主要２０カ国・地域中２位”というような記事も。

　官民ともに不動産神話にしがみついていたいんですね。

 

　それにしても、不動産価格が下落する中、最近は伝貰価格の相場が急騰している、韓国の場合は不動産価格は上がっているのか下がっているのかよく分かりませんが、少なくとも今年の統計では地価は上がっているわけですし、チョンセの価格は不動産価格じゃないとでも（笑）。

　一応は産業部次長待遇なんだから記事には整合性を・・・・・無理とは知ってますけど。

 

　おまけに、（チョンセは）2億ウォンの金融資産で得られるはずの金利収入のうち1億ウォン分しか手にできない、とかいう嘘を。

　もともと韓国のチョンセというのは無から有を生み出す手法でした。カネがなくてもコネがあれば韓国ではアパートを建てられますから住宅不足に付け込んで完成もしていないアパートでチョンセを集め、それを私債というヤミ金融で高利の運用をして稼いでいたんです。

　金融資産を保有している政府高官などは最初から私債で稼いでいましたし。

 

　”伝貰制度は世界でも韓国だけに存在する特殊な住宅賃貸制度だ”・・・それを支えていたのが銀行預金の利子すら年数十％、私債の金利は遥かに上という韓国の金利ですね。要は資金不足です。

　今でも国内にはカネがなく国内銀行はせっせと海外で外貨建ての債券を発行しているのですから。そのおかげで国内の金利も昔に比べれば劇的に下がりましたけどね。

 

　それで頼母子講のようなグループも集めた金の運用が出来なくなり、払い込み拒否、持逃げなどの事故が続出しているようですが。

　そういえば郵便局長も似たようなことをやって結局は詐欺になっていました。私債神話も根強いんですねえ。

 

 

 

 

 

 

　お前らからも家賃を・・・・