南北首脳会談:北朝鮮が「アリラン公演」にこだわる理由(下)
- 2007/09/30
- 06:53
2007/9/29 朝鮮日報
南北首脳会談:北朝鮮が「アリラン公演」にこだわる理由(下)
―北朝鮮がアリラン公演にこだわる理由は?
「理由は二つある。一つ目は、最高権力者の周りに堅く団結した軍隊と人民の姿を内外に示すこと。二つ目は、見せるものがそれしかないということだ。オルブライト元米国務長官も観覧したが、それは米国も下手に手を出すなという警告だった。外国の首脳に見せれば北朝鮮の位置付けが上がり、自分たちに対し恐怖を感じる、と金正日(キムジ・ョンイル)総書記は思っている。盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領にも“われわれに下手な対応を取るな”というメッセージを送ろうとしているのだ」
―マスゲームや芸術公演を主導するのはどんな機関?
「国家体育指導委員会のマスゲーム・芸術公演創作団が労働党宣伝扇動部の直接的な指導を受けシナリオを作成し、創作技術を開発する。行事が本格的なものになると、体操・舞踊指導員など体育分野や芸術分野の専門家が創作団に臨時で配属され、技術指導する。成果があれば昇進のチャンスが広がるため、志願する人が多い」
―アリラン公演終了後、動員された人々にはどんなメリットがあるのか。
「一時、経済状況が良かった時代は振付師らにテレビなど破格なプレゼントが贈られた。指導員(教官)たちは出世のチャンスだから、子どもたちをせき立て成果を上げようとする。だが、子どもたちは何カ月も苦労したとしても袋入りのアメがもらえるのがやっと。経済的困窮が長引き、メリットも少なくなった」
―外国では児童虐待との批判も多いが。
「アリラン公演は平壌の子どもたちの血と涙そのものだ。極寒や猛暑の中、数万人を機械のように動かす訓練をするというのは言語道断。何カ月も勉強できない。何時間も水が飲めず、トイレさえ行かせてもらえなければ、韓国の親たち何と言うだろうか。アリラン公演を称賛するのは、良心が欠落している人々だ」
■チャン・ヘソン氏とは
金日成総合大学語文学部を卒業、北朝鮮の朝鮮中央テレビに記者や放送作家として勤務した。北朝鮮で大人気を呼んだテレビやラジオのドラマ『チョンボクとマンギル』『南から来た手紙』『ある闘士の思い出』などの脚本を書いた。1996年に脱北し、韓国に入国。国家安保統一政策研究所で研究員を務め、定年退職した。現在も北朝鮮文学に関する創作活動を行っている。
http://www.chosunonline.com/article/20070929000017
ソウルオリンピックの後、平壌でそれに対抗した大規模な大会が開かれましたが、日本の作家、関川夏央も観光団の一員として見物してきたようですね。その大会というのもマスゲームくらいしか見せるものはなかったようですが、人文字ひとつ取ってみても甲子園で有名だったPL学園のそれが幼稚園のお遊戯レベルとすると北朝鮮のそれはボリショイ・バレエのレベルくらいの差があったということです。
それを子供が演じるわけですからどれだけの猛練習があるかは想像するまでもないですね。それに同じ関川の本によると、北朝鮮の女児はそういう場では不自然なほどの厚化粧をして性差を強調するらしいですね。当然可愛い子には喜び組の座が待っているんだろうけど。
日本の相撲部屋で新弟子が殺された事件がありましたが、北朝鮮のマスゲームの裏にも同じような、いや金豚の権力が背景なだけに遥かに陰惨な事件がたくさんあるんでしょうね。朝日とかは書かないのを友好と考えているからしょうがないけど。